Proxyは何
プロキシ(Proxy)は、クライアント(ユーザーのデバイス)とサーバー(目的のサーバー)の間でリクエストを中継する中間サーバーです。プロキシは、セキュリティの向上、パフォーマンスの最適化、またはネットワークアクセスの制御などの役割を果たすことができます。
タイプ | 概念 | 用途 | アプリ |
Transparent Proxy | リクエストやデータを変更せず、ユーザーのIPアドレスを公開する。 | コンテンツをフィルタリングし、ネットワークトラフィックを監視しながらも、ユーザーの接続を妨げない。 | Squid, Websense, Cisco Umbrella |
Anonymous Proxy | ユーザーのIPアドレスを隠し、プライバシーを保護する。 | 安全なウェブ閲覧を実現し、オンライン取引の匿名性を確保する。 | Tor, HideMyAss, ProxySite |
Forward Proxy | クライアント(ユーザー)とサーバーの間の中継役として機能し、ユーザーからのリクエストをフィルタリングしてから目的のサーバーへ送信する。 | インターネットアクセスを管理し、企業や組織内でのウェブコンテンツのフィルタリングを行う。 | Squid Proxy Server, Blue Coat ProxySG, Zscaler |
Reverse Proxy | ユーザーからのリクエストを受け取り、内部サーバーに転送する。負荷分散やセキュリティ対策として利用される。 | トラフィックを分散し、ウェブサーバーを保護し、パフォーマンスを向上させ、DDoS攻撃を防ぐ。 | Nginx, HAProxy, Traefik |
SOCKS Proxy | プロキシプロトコルは、HTTPやFTPなど、さまざまな種類のトラフィックを処理できる。 | セキュリティと匿名性を強く求めるアプリケーションで使用される。 | Shadowsocks, Proxychains, SocksiPy |
HTTP Proxy | HTTP/HTTPSトラフィックを処理し、ウェブリクエストを管理する。 | ウェブコンテンツをフィルタリングし、キャッシュ機能でアクセス速度を向上させ、帯域幅を管理する。 | Charles Proxy, Fiddler, Burp Suite |
Forward ProxyとReverse Proxyの比較
特徴 | Forward Proxy | Reverse Proxy |
システム内の位置 | クライアントとインターネットの間に配置される。 | クライアントと内部サーバーの間に配置される。 |
セキュリティ | ユーザーのIPアドレスを隠し、匿名性を向上させる。 | 内部サーバーのIPアドレスを隠し、サーバーのセキュリティを強化する。 |
主な用途 | インターネットアクセスの制御、ウェブコンテンツのフィルタリング、ユーザーのセキュリティ向上。 | ロードバランシング、パフォーマンス最適化、DDoS攻撃の防御。 |
実際の使用例 | 制限されたコンテンツへのアクセス。 安全なウェブ閲覧。 企業ネットワークのアクセス管理。 | 複数のバックエンドサーバー間での負荷分散。 内部サーバーの情報を隠す。 キャッシュ機能による処理速度の向上。 |
例 | VPN、SOCKSプロキシ、ウェブプロキシ(Google翻訳プロキシ、HideMyAss など)。 | Nginx、Apacheリバースプロキシ、Cloudflare、AWS Elastic Load Balancer。 |

ロードバランサー(Load Balancer)とは?
ロードバランサーは、トラフィックを複数のバックエンドサーバーに分散し、パフォーマンスと高可用性を確保するシステム。
一般的なロードバランシングの方法:
- ラウンドロビン(Round Robin): リクエストを順番に各サーバーへ送信する。
- 最小接続数(Least Connections): 最も接続数が少ないサーバーにリクエストを送信する。
- IPハッシュ(IP Hash): クライアントのIPアドレスに基づき、常に同じサーバーへリクエストを転送する。
- 加重ロードバランシング(Weighted Load Balancing): 各サーバーの負荷能力に応じてリクエストを配分する。
例: AWS Elastic Load Balancer, Nginx, HAProxy

まとめ
これらの概念を理解することで、ネットワークシステムやウェブサーバーの管理をより効果的に行い、システム全体のパフォーマンスや安定性を向上させることができます。また、負荷分散やセキュリティ対策を適切に実装することで、トラフィックの最適化や障害耐性の強化にもつながります。