
n8nはノーコード/ローコードのワークフロー自動化ツールとして人気があります。本記事では、Google DriveとPineconeを活用し、企業の内部ドキュメントから情報を取得し、GPT-4oを用いて質問に回答するRAG(Retrieval-Augmented Generation)システムを構築する方法を紹介します。
近年、多くの企業がAIを活用して社内情報の管理や検索を効率化しています。従来のFAQシステムや検索エンジンでは、文書のキーワード検索に頼ることが多く、ユーザーが求める正確な回答を得るのが難しいケースがありました。しかし、RAGを用いることで、AIがリアルタイムで文書を検索し、より適切な回答を生成できるようになります。本記事では、その構築方法を詳細に説明していきます。
目次
今回のシステムの流れ
1.Google Driveに新しいファイルがアップロード/更新されると自動検出。
2.n8nがファイルをダウンロードし、テキストデータを抽出。
3.テキストを小さなチャンク(断片)に分割し、OpenAIのEmbeddings APIでベクトル化。
4.Pinecone(ベクトルデータベース)にベクトルデータを保存。
5.ユーザーが質問を入力すると、システムがPineconeから関連情報を取得。
6.GPT-4oが取得した情報を元に回答を生成し、ユーザーに返す。
この流れにより、最新の情報に基づいた回答を瞬時に提供できるようになります。
Google Driveのファイル取得とテキスト処理・ベクトル変換

ノード | 機能 |
---|---|
Google Drive File Created | 新しいファイルが追加されたときにトリガー |
Google Drive File Updated | 既存のファイルが更新されたときにトリガー |
Download File From Google Drive | ファイルをダウンロード |
Default Data Loader | バイナリデータをテキストデータに変換 |
Recursive Character Text Splitter | テキストを小さなチャンクに分割し、AIによる処理を容易にする |
Embeddings OpenAI | OpenAIのAPIを使ってテキストをベクトル化し、高速検索を可能にする |
Pinecone Vector Store | ベクトルデータをPineconeに保存し、データベースとして機能 |
目的: Google Drive内のドキュメントを自動的に取得し、情報の最新性を保ちつつ、AIが理解しやすい形にベクトル化することで高速検索を可能にする
ユーザーの質問に回答するAIチャットボット

ノード | 機能 |
When chat message received | ユーザーの質問を受信し、ワークフローを開始 |
Pinecone Vector Store (Retrieval) | Pineconeから関連情報を検索し、回答の基となるデータを取得 |
AI Agent (GPT-4o) | 取得した情報を元にAIが回答を生成し、ユーザーへ応答 |
Window Buffer Memory | 過去の会話を記憶し、コンテキストを維持することで自然なやり取りを実現 |
目的: ユーザーが入力した質問に対し、Pineconeから適切な情報を取得し、AIが適切な回答を提供する。
このプロセスを通じて、AIはただのチャットボットではなく、企業のナレッジベースを活用した高度なサポートエージェントとして機能します。
まとめ
企業のFAQシステムや社内ナレッジ管理、カスタマーサポートの自動化に活用できます。n8nとGoogle Drive、Pinecone、GPT-4oを組み合わせることで、強力なAIシステムを構築できます。
構築とかは必要でありましたらぜひ弊社に連絡してください。