デザインパターンについて

デザインパターンとは

デザインパターンとは、オブジェクト指向言語(Java, C++, C#など)でよく使われる設計をパターン化して、最適な方法でプログラミングを行えるようにするテクニックです。
 複雑化するソフトウェア開発の効率化および信頼性向上のためにパターンの利用が有効であるという考えのもとに、広く知られています。

デザインパターンを使用する目的

アプリケーションを構築するとき、状態管理、オブジェクト間の相互作用、メンテナンスを容易にするためにソース コードを編成する方法など、複雑な問題に直面することがよくあります。デザイン パターンは、実証済みのモデルと既製のソリューションを提供することで、これらの問題の解決に役立ちます。

  • コードの再利用と簡単な拡張に役立ちます。
  • 一般的な形式でソリューションを提供し、開発のスピードアップに役立ちます。
  • 徹底的にテストされているため、潜在的なバグを回避します。

主なデザインパターンの種類

 デザインパターンには3種類に分類されます。

生成デザインパターン

オブジェクトは必ずはじめに生成されます。その生成をどのように行うかという問いに対するパターンになります。
 これらのパターンは、オブジェクトの生成と初期化の方法を隠蔽し、柔軟性と再利用性を向上させることを目的としています。代表的な生成デザインパターンには以下が含まれます。以下が代表例です。

Builderパターン

元となるオブジェクトを生成し、それをもとに複数のオブジェクトをを生成するパターン。

Abstract Factoryパターン

インスタンスの生成をサブクラスに委任し、具体的な生成処理をサブクラスで実装するパターン。

Singletonパターン

クラスが一つのインスタンスのみを持つようにするためのパターン。


構造デザインパターン

オブジェクトは一つだけでなく複数のオブジェクトが必ず使われますが、構造デザインパターンは、その組み合わせのパターンに焦点を当てています。
 これにより、システムの構造を柔軟に変更できるようになります。以下が代表例です。

Adaptorパターン

互換性のないクラス同士を関連付けるパターン。

Bridgeパターン

機能を拡張するクラスと、実装をするクラスを分離し、相互の橋渡しを行うパターン。

Decoratorパターン

継承は使用せず、オブジェクトに新しい機能を次々に追加して、拡張ができるようにしたパターン。

振る舞いデザインパターン

それぞれのオブジェクトは、必ずやり取りをします。振る舞いデザインパターンは、オブジェクトが協力し、役割を分担する方法に焦点を当てています。以下が代表例です。

Command

操作をオブジェクトとして定義するパターン。

Iterator

コレクションに対する、探索の振る舞いを定義し、イテレータと呼ばれるオブジェクトへ抽出するパターン。

Observer

一対多の依存関係を定義し、状態変化に応じて処理を実行するパターン。

まとめ

この記事では、既存のデザインパターンを簡単に紹介しました。各パターンは特定の状況に適している場合があり、常に最良の選択であるとは限らないことに注意してください。最も重要なことは、コードが常に要件を満たし、将来のメンテナンスが容易になるように、知識を持って柔軟にコードを適用することです。